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活動報告

「国民審査」
写真:大法廷
最高裁判所大法廷

10月31日は衆議院総選挙の投票日です。その選挙と一緒に行われるのが「最高裁判所裁判官国民審査」です。この国民審査の用紙を前にいつも頭を悩ませている者として、少し整理をしてみました。

最高裁判所裁判官国民審査

最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院選挙総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

日本国憲法第79条第2項

つまり、憲法に記されているように、すでに任命されている最高裁判所の裁判官がその職責にふさわしいかどうかを国民が審査するという制度です。今回は2017年の衆院選以降に任命された11人が審査の対象となります。

最高裁判所

最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

日本国憲法第81条

このように最高裁判所というのは司法権の最高機関です。法律や命令、規則などが憲法に違反していないかを判断する“憲法の番人”であり、強い権限を持っています。国民審査では強い権限を持つ裁判所が適正に機能しているかどうか、国民の意見を反映させることができるのです。

「できる」と言われても、その先が難しいのです。 投票用紙には審査を受ける裁判官の氏名が印刷されており、裁判官ごとに辞めさせたい意思があれば「×」を、なれけば記載せずに投票します。 結果、「×」が記載された投票が有効投票数の過半数を超えた場合、その裁判官は罷免されます。

では、実際「×」をつけるかどうかの判断は何をもとにするのでしょうか。実は、 投票日の前に「最高裁判所裁判官国民審査公報」というものが各世帯に配布されます。各自治体のホームページにも掲載されます。ここに各裁判官の経歴や最高裁判所において関与した主な裁判、裁判官としての心構えなどが掲載されています。また、裁判所のホームページからも今回の裁判官が過去に関与した裁判例を検索することも可能で、その裁判官が過去の裁判においてどのような意見だったのかということも見ることができるのです。しかし、この過程を判断材料としている有権者が一体何人いるのでしょうか。

以上、TBS NEWSの記事を引用しながら整理してみましたが、裁判の内容を理解する等、有権者に求められる能力のレベルはかなり高い。ますますこの「国民審査」の難点が浮き彫りにされたような気がするのは、私だけでしょうか。