台風一過。
あの花たちは雨風に耐えただろうか。
自らの美に気づかざるものたちを花とよびては散るをかなしむ
詩客:鈴木良明 「世界の変へ方」より
旭に来てから仕事で知り合った友人は、こんなことをやってみる人です。
去年のクリスマスを彩ってくれたポインセチアを、光を遮断してまた紅くしようという試み。
「だって面白いじゃない」。
人生ぐるっと暦を巡ってだいたい同い年の彼女の、この興味津々力に脱帽。
平成5年の記録的な冷夏による不作が原因となった米不足の時、平成の米騒動が起こりました。瑞穂の国日本ではこれより以前にも、凶作で米不足になったり、価格が上がって、人々が米を買えなくなって騒動になったことが何度もありました。
翻って今は小麦粉騒動勃発寸前。政府が輸入した小麦を製粉会社などに売り渡す価格を来月から19%引き上げると発表したからです。 農林水産省の試算では、食パン1斤あたり2.3円の上昇になるようですが、小麦粉を使った食品の多さを考えると、食卓への影響は多大なものになるでしょう。大幅引き上げの要因は中国の大量買い付けや北米の天候不順による生産量の減少だそうです。さらに新型コロナウイルスの影響で輸送船が不足し、運賃が大幅に上昇したことも響いています。半年前にも輸入小麦の価格が引き上げられたばかり。どこまで高騰するのか、小麦粉よ。
ということで、これはもう小麦粉じゃなくて米粉でしょう。米粉の時代です。旭は今、新米の刈り入れで田んぼはコンバインとシラサギの協演中。次はいよいよ旭の米粉の出番です。
お彼岸の頃に咲くからそう呼ばれているのかと思っていましたが、ヒガンバナ(彼岸花)が正式名称で、ヒガンバナ科、ヒガンバナ属でした。そして別名が曼殊沙華(マンジュシャゲ)。田舎では道端や水田のあぜ道にありすぎて、時節を知らせるだけの花だったような気がしますが、最近では、白や黄色の花も見かけるようになり、生け花の花材にもなっていますね。
秋の終わりに葉が伸びて翌年の初夏に枯れるという、多年草としては珍しい性質を持っている。地下の鱗茎(球根)に強い毒性を有する有毒植物であるが、かつて救荒作物として鱗茎のデンプンを毒抜きして食べられていた。
Wikipedia
その群生で有名な観光地となった曼殊沙華の里で、花を全部刈り取ったというニュースを聞きました。ある時は救荒作物注となり、またある時は刈り捨てられてしまう花。有毒植物だけあって、ちょっと灰汁の強い花のイメージがありましたが、実はなんと健気な花でしょう。この海っぺりの駐車場はコロナ禍で車もまばら。踏みつけられる危険がなくなった場所を選んで、深紅の花は咲いているようです。
注凶作時にもある程度の収量が得られ,主食の代用となって飢餓をしのぐために栽培する作物。このために,低温に強く,しかも短い夏の間にも生育を完了することのできる生育期間の短い作物であること,また,日照り続きの乾燥時にも枯れないじょうぶな作物であることが要求される。出典株式会社平凡社世界大百科事典
全国各地からきた花々のほとんどが、流木にいけられていました。
津波から10年の節目に、「忘れられた被災地.旭」の浜の流木にも花をいけてほしかったこと、そして旭でもたくさん出荷している「希望」の花言葉を持つガーベラの話にも、天才華道家は耳を傾けてくださいました。
いつかは浜に「鎮魂花」。きっといけてくださることでしょう。