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今までなんでわからなかったのだろうということが時々ある

氷を曲げると電気が生まれることが判明、長年の謎だった雷の発生メカニズムを解明する糸口になる可能性

氷を曲げると電気が生まれることが判明、長年の謎だった雷の発生メカニズムを解明する糸口になる可能性

スペインのカタルーニャ・ナノ科学ナノ技術研究所(ICN2)、中国の西安交通大学、アメリカのストーニーブルック大学からなる国際共同研究チームが、ごく普通の氷が「フレキソエレクトリック効果」を持つことを世界で初めて明らかにしました。これはつまり、氷には曲げると電気が発生する性質があることを意味します。

物質に力を加えて電気を発生させる現象として「圧電効果」がよく知られています。これは水晶などの特定の物質に圧力を加えると電荷が生じるという現象で、身近なところではライターの着火石などに利用されています。

そして、フレキソエレクトリック効果は材料を変形させることで電気分極を誘起させる現象です。水分子(H2O)は電気的な偏り(極性)を持ちますが、私たちが普段目にする氷の結晶は全体としてその極性を打ち消し合う構造となっているため、圧力をかけても電気を発生させる圧電効果を示しません。一方で、フレキソエレクトリック効果は物質の対称性によらないので、どのような物質にも普遍的に起こり得ます。研究チームは、この点に着目し、これまで知られていなかった氷のフレキソエレクトリック効果を測定するべく、以下の実験を行いました。

研究チームはまず、超純水を金または白金でコーティングしたアルミニウム箔2枚の間に挟み、約-20℃(253K)で凍らせることで、厚さ1.8mmから2.2mmほどの「氷コンデンサ」を作製しました。そして、この氷コンデンサを動的粘弾性測定装置(DMA)に設置し、三点曲げによって周期的な変形を与えました。

このとき、中央部分のたわみ(変形量)を変位センサーで、曲げによって発生した微小な電荷をチャージアンプで増幅して測定し、両者をオシロスコープで同期記録しました。このデータから、氷の曲がりの度合いと、それによって生じた電気的な分極の関係を解析しました。

曲げによる電気の発生しやすさを示す指標であるフレキソエレクトリック係数を算出したところ、氷のフレキソエレクトリック係数はセンサーなどにも使われるセラミックスに匹敵する数値であることがわかりました。さらに248K(-25℃)より高い温度になると、氷の表面が完全に溶ける融点よりも低い温度で液体のような性質を持つ「疑似液体層(QLL)」が現れ始め、フレキソエレクトリック効果が急激に強まるとともに、氷が変形しやすくなる様子が捉えられました。

また、温度を203K(-70℃)以下に下げると、フレキソエレクトリック効果が再び上昇し始め、約160K(-113℃)でピークを示しました。研究の共著者でICN2の研究者であるウェン・ジン氏は「私たちは、氷が-113℃以下の温度で、その表面に強い強誘電性の層を持つことを発見しました」と説明しています。

強誘電性とは、外部から電場をかけなくても自発的に電気的な分極を持ち、その向きを外部電場で反転させることができる性質です。通常、氷の内部は強誘電性を示しませんが、この現象は氷の表面数10ナノメートルのごく薄い表層でのみ起こる「表面強誘電性」であると研究チームは結論付けました。

その後、研究チームは電極の金属を変更して検証を行いましたが、やはり氷の表面に強誘電性が誘起されていることが強く示唆されたとのこと。研究チームはこのことから、氷が-70℃以下という低温下では強誘電性、-25℃以上の温度下ではフレキソエレクトリック効果という2つの異なる方法で電気を発生させうると論じています。

この研究成果から得られる知見の一つが、雷の発生メカニズムです。雷雲の中では小さな氷の粒子が衝突を繰り返すことで電荷が分離し、雷放電に至る巨大な電位差が生じると考えられています。しかし、圧電性を持たない氷がなぜ衝突によって帯電するのかは長年の謎でした。

研究チームは雲の中で起こる氷の粒の衝突をモデル化し、フレキソエレクトリック効果によって発生する電荷量を計算しました。その結果、衝突時に氷の粒が大きく変形し、大きな電位差を発生させることがわかりました。

以下の図の左側は、あられ(Graupel)と氷の粒子(Ice)の衝突を描いた模式図。衝突によって電荷の分離が起こり、あられはマイナスに、氷の粒子はプラスに耐電します。中央は衝突の瞬間にフレキソエレクトリック効果によって生じる電位差をシミュレーションした結果で、右のグラフではシミュレーションの予測値(ピンク色)と過去の実験データ(点)を比較しています。研究チームは、予測値が過去の実験で報告されている衝突あたりの電荷移動量と「非常によく一致した」と報告し、「私たちの研究結果から、フレキソエレクトリック効果で雷を引き起こすメカニズムを説明できる可能性が示唆されました」と述べました。

研究チームはまた、今回の発見を応用することで、寒冷地で氷を材料として発電素子を製造できるかもしれないという期待も寄せています。

GIGAZINE

解説を読んでもチンプンカンプンだけれど、要するに、「寒冷地で氷を材料として発電素子を製造できるかもしれないという期待」が持てる研究結果だったということかな。

⇧2.36度‼️
玄関出て見上げるとギラギラ太陽

気象庁の発表によると、今年2025年夏(6月~8月)の日本の平均気温が平年を2.36度上回り、1898年の統計開始以来で最も高くなりました。これまでの記録(2023年、2024年の夏)のプラス1.76度を大幅に上回り、3年連続で最も暑い夏となったそうです。

来年はもっと危険になるはず。

アウト老
みうらじゅんさん:はれ予報

この感覚、好きだなぁ

こちらも見直しが必要
外国人受け入れ政策の抜本的な見直し

政府が外国人受け入れ政策の抜本的な見直しに向け、動き出す。社会保障や賃金、治安など日本社会への影響の有無を調べ、受け入れに一定の制限をかけることの可否も検討する。出入国在留管理庁や有識者会議での議論を経て、関係閣僚会議で新方針を決めたい考えだ。

 入管庁を所管する鈴木馨祐(けいすけ)法相が29日の閣議後会見で、検討すべき論点をまとめた報告書を公表。庁内にプロジェクトチームを立ち上げ、「可能な限り速やかに検討を進める」と述べた。

■国の外国人政策「統一方針ない」

 移民排斥論が強まり、社会が分断される欧州のような事態を避けたいという問題意識がある。外国人の人権との調和をどう図るかが課題だ。

 報告書は、これまでの外国人政策は「対症療法的」で、「統一方針がない」と明記。総人口に占める外国人の比率が、欧米の先進国のように1割を超える時代を見据え、政府全体で多角的な検討を始める時期だとした。

 総務省の7月の人口推計によると、国内の外国人の人口は347万5千人で、全体の2・8%。これが1割になるのは、国立社会保障・人口問題研究所の推計では「2070年」とされるが、報告書では「はるかに早く到来する可能性が高い」との指摘を紹介した。

 そのうえで、外国人の受け入れ規模に応じた経済成長のシナリオを作り、(1)財政や社会保障(2)賃金(3)教育(4)治安――などへの影響の有無や程度を調査することが考えられると説明。国と地方自治体の役割を整理し、社会との摩擦をやわらげるための「社会統合プログラム」などを作ることを課題に挙げた。

 さらに、「特定技能」や「育成就労(27年度から)」の在留資格以外で滞在する外国人について、受け入れ数に上限を設ける必要性に言及。「摩擦が許容度を超える兆候が見えた場合に時限的に受け入れ制限を行う」という方法を例示した。

朝日新聞デジタル:2025.8.29 夕刊

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