周回遅れの読書とでもいおうか。40代で米ゼネラル・エレクトリック(GE)の経営トップに就任、同社を再生したジャック・ウェルチ氏。本人の著書「わが経営」を開いた。ハイライトの一つは1981年のトップ1年目だろう。社内にはびこる官僚主義にいらだつ場面が出てくる。
今後5年間の売上高、利益、設備投資をはじめ無数の予測数字を書き込んだ分厚い事業計画書が届く。同氏は「死んだ書類」とあきれる。「これらの計画書が官僚機構を生かすための血液になる。(中略)ばかげた話だ」。スタッフの中には表紙の出来栄えを採点するものまでいた。
【中略】
答えは積み上げた書類の中にない。最前線の顧客を肌で知り、世界のスピードに敏感でなければならない。そしてどの山を登るかというビジョンが要る。自身の任期中でなく10年、20年後にどんな企業ににするか、それに向け手を打つのが、経営者の最大の責務かつ後の評価だ。
日本経済新聞:大機小機(赤金)
地方自治体も同じこと。
最前線の市民ニーズを肌で知り、世の中のスピードに敏感でなければならない。


企業利益は13%も上振れして、GDPは2.1%も減。
そもそも値上げする必要があったのか。
いつもばかを見るのは庶民。
企業が儲かっているから賃上げをお願い、なんて首相は言っているけど、それって一部上場企業とかでしょ。中小企業は賃上げしたらつぶれるかもしれない。存続自体が危うい。
中小零細や農家さんだって価格転嫁できずに頑張ってやっと凌いでいる。
本当に値上げする必要があったのか。


一昨日テラスにいた赤とんぼだと思われます。
待っている誰かのところに帰れたかな、と思っていたら、外側に養生ビニールをはられた室内の窓桟にいるのを見つけました。なんと、なぜか2匹に増えて、外に出たいようと言わんばかりに羽音をたてていました。オシドリ赤とんぼかな。
外壁の塗装中の職人さんに、足場の間から逃がしてもらいましたが、2匹でどこに帰っていったのかな。
今日も11月中旬とは思えないほどの秋晴れ。ここのところ人里に出てきては何かと問題になっている熊も、冬眠を忘れる温かさです。本来ならば冬支度なのに赤とんぼが似合う気候が、果たしてこの地球にとって良いのかと真剣に考えてしまいます。
世界のCO2濃度、産業革命前の1・5倍で過去最高に…世界気象機関「我々はいまだに間違った方向へ」
【ジュネーブ=森井雄一】世界気象機関(WMO)は15日、2022年の大気中の二酸化炭素(CO2)の世界平均濃度が過去最高を更新し、417・9ppm(ppmは100万分の1)だったと発表した。産業革命前の水準の1・5倍に初めて達したという。
報告書によると、濃度上昇の程度は前年よりやや弱まったが、短期的な自然変動によるものだった。産業活動による排出は増え続けていると分析している。現在のCO2濃度は300万~500万年前と同程度で、当時の気温は現在より2~3度高く、海面も10~20メートル高かったという。
WMOのペッテリ・ターラス事務局長は、「科学界からの何十年にもわたる警告にもかかわらず、我々はいまだに間違った方向に進んでいる。化石燃料の消費を緊急に削減しなければならない」と指摘した。
読売新聞:2023.11.16

丁度今、二酸化炭素で犬の殺処分が行われるという、恐ろしい記事を読んだばかり。ドリームボックスと呼ばれる機械に何十匹も詰め込んで、二酸化炭素を20分投入して窒息死させるという。なんと残酷なことを人間はするのだろう。
しかし、よく考えてみよう。私たち人間は、自ら作ったドリームボックスに自ら入り窒息しようとしているんじゃないか。地球という名のドリームボックスに。長い長い年数かけて。
「我々はいまだに間違った方向に進んでいる」。箱の扉を開けるのは、常に愚かな人間。犬の、そして自らの「ドリームボックス」。


外壁塗装のためにテラスからテーブルをどかして、広々したところに赤とんぼ。
季節はずれの赤とんぼ。
帰りを待っている赤とんぼはいないのかな。
間違えないように帰って行けるかな。