「押し活」選挙

「推し活」選挙が溶かした政党政治 「戦後民主主義」に引導渡す
日本の政治構造が大きく変わった。自民党は8日の衆院選で316議席を獲得した。単独の政党が衆院定数の3分の2を上回るのは戦後初となる。
この圧勝は政党勢力図の変化を表すにとどまらない。欧米のような激しい社会分断や衝突こそないものの、静かに政党政治が溶解していく「日本型ポピュリズム」の一つの到達点を指し示す。
SNSや動画が巻き起こす政党ブームは過去の国政選挙でもあった。れいわ新選組や国民民主党、参政党が氷河期世代対策や外国人政策などを通じてサイレントマジョリティーの不満を顕在化し、一世を風靡した。
それでもブームの中心には政策があった。一方、高市早苗首相を支えたネットの熱気からは政策すらも消え去った。あるのはわかりやすい構図に支えられた「サナ推し」という「推し活」だ。
日本経済新聞:政策報道ユニット長 桃井裕理
