「おもしろい未来をつくる」
最近いやなニュースばかりで、大谷翔平の活躍しかワクワクすることはないのか、なんて思っていた矢先の、この「おもしろい」ニュース。
「タナカヒロカズ」さん、大ヒットです。
「ひろかず」の変換が105種類出てきましたもの、これは相当の人数いらっしゃいますね。その方々を集めちゃおうなんて発想が「おもしろい」。
「人はちょっとした『同じ』でつながって、幸せになれる」。名前の読みが同じ人たちとの交流を広げ、30年になる。
1994年のプロ野球ドラフト会議。「近鉄 田中宏和」。同姓同名の投手が1位指名され、高揚感を味わい、タナカヒロカズさんを探すように。03年にその1人と面会し、輪を広げていった。
2年前、3~80歳の178人を東京・渋谷に集め、当時のギネス世界記録をつくった。「ありふれた私たちの名前がブランドになった歴史的瞬間だった」
仲間はいま、250人を超す。朝日新聞デジタル
この夏、30年以上勤めた大手広告会社を退職。「渋谷」「レコード」(ニックネーム)の2人と「タナカヒロカズ株式会社」を設立した。「ただ楽しいからやってきただけなのに、行くところまで行っちゃいました」。社員や株主になる条件はただひとつ、タナカヒロカズという名前だ。
スローガンは「おもしろい未来をつくる」。事業の柱に企業のブランドづくりを据える。タナカヒロカズの絆、ギネスに名を刻んだ成功体験をいかす。「ばかばかしさは引き続き大切に。タナカヒロカズであることがうれしい、と思える会社をめざします」。ありのままの自分でいい。誰もがそう思える社会になってほしい。(文・写真 長野佑介)