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活動報告

氷河が消える

今朝、NHKラジオ体操の前に耳に入ってきたのは、「ペルーの氷河があと30年でなくなる」話し。写真家の林典子さんが、見てきた現実を自分の声で語っていた。

なんとも恐ろしい話しだが、私も含めてほとんどの地球上の人間が、氷河が音をたてて崩れ落ちていくのを見たことがないから、その本当の恐ろしさがわからないのだ。

北極の氷河が海に崩れ落ちる映像は、だれしも一度は見たことがあるだろう。海水面が上がって、南の島の「ツバル」は沈んでしまうと何年も前から報道されている。

温暖化によって巨大化したサイクロンが高潮や津波を引き起こし、海抜の低い国に深刻な被害をもたらす可能性があります。

例えば、2015年3月に発生したサイクロン・パムは、ツバルに甚大な被害をもたらしました。

日本はその際に、124万米ドル(約1億5,000万円)の緊急無償資金協力を行いました。

また、海水がツバルの主食であるタロ芋畑に入り込み、作物が育たなくなるなどの被害も出ています。

生活用水も地下水への海水の流入により利用が難しくなり、代わりに雨水を主に利用するようになっています。

しかし、昨今の異常気象により長期間雨が降らないといった状況も発生しており、飲料水の確保がますます困難になっているのが現状です。

ツバルは自給自足の生活を送っていますが、国が沈む前に食糧が確保できなくなる可能性もあります。

GREEN NOTE

周りを海に囲まれた国としては、とても他人ごとではないはず。

氷河が消えるということがどんな意味を持つのか、私たちは自分事として考えなければならない。

こちらは「熱帯氷河」。30年でなくなってしまうといわれている、ケルカヤ氷河で生きる人たちの決意を見習わなくてはならない。

アンデス山脈には、世界の熱帯氷河の90%以上が存在しており、その約70%を占めるペルーの氷河面積は、過去60年間の間に56%消失したといわれる。地球上で最大級の熱帯氷河のひとつである、ここケルカヤ氷河は特に速いスピードで消失しており、ペルー国立氷河山岳生態系研究所(INAIGEM)によると、1984年に65.7平方キロメートルあった氷河面積が、2023年には38.1平方キロメートルにまで縮小した。つまり、この39年の間にケルカヤ氷河の面積は42%も小さくなったことになる。

「最近はクスコなどの都市に移住する若者が増えています。不安定な気候が雨の量や牧草地に影響を与え、アルパカの世話を続けることが難しくなれば、今後人の数はさらに減っていくでしょう。私たちは、氷が解けていく様子をただただ見ていることしかできないのです」

「それでも、望みを失いたくはありません。時々訪れる観光客たちにこの地域の美しい自然や文化を伝えたい、という思いもあります。コチャを作って水を保護したり、フェンスを作って草を守ったりしていく。今私たちにできることは、そうした小さなことを積み重ねていくことだけなのです。祖先から受け継いできた伝統とこの土地を守りたい。そのために私ができることは全てやっていきたい、そう思っています」

朝日新聞デジタル

「私ができることは全てやっていきたい」。