9月27日の農業新聞コラム「今よみ」、衝撃のタイトル。
今日は「新規就農が過去最少」と。本当に私たち日本人は「農なき国」を望んでいるのだろうか。真剣に過去最大国策であたらないと、国民が飢えて国が消滅してしまう。
以下、「今よみ」から
「日本人は農なき国を望むのか~農民作家山下惣一さんの生涯」が
NHKで放送されました。
佐賀県唐津市から闘う農民作家として国政や社会に物申してきた山下さんの生き方は、視聴者に多くのインパクトを与えました。
1961年、農業基本法制定の年、国はみかん栽培を奨励し、新婚だった山下さんは妻と山にみかんの苗を植えます。しかし木が成長した頃、価格は暴落。
20キロで200円に。行政に苦情を言うと、「植えたのはあなたたちでしょう」と開き直られます。後に山下さんは振り返ります。
「私の百姓としての一生は、26歳で植えたみかんを54歳で伐って終わった」。これでは農家の尊厳は保たれません。子どもに後継を望むことも、地域に誇りを持つこともできません。農業人口が減り、農村が衰退。農家は、生き続ける気力を、耕作意欲を奪われその結果が、40万haの耕作放棄地と150万戸の土地持ち非農家なのではと、思えてなりませんでした。
「地元でできたものを地元で食べる。これを基本にすればやり直せる。これしかないと思ったんですよ」。地産地消の強さは「身土不二」という仏教の教えに通じます。田んぼも人も生き物も本来、命はつながっているのです。
山下さんがたどり着いた答えは「小農」でした。これは国連の推進する家族農業と同義です。世界情勢の不安により、食料自給への関心が高まる今、食料・農業・農村基本法の見直しが進んでいますが、拡大より持続を、競争より共生を掲げる「小農」は、日本人が自分らしく生きる権利でもあるのです。