お米券考
お米券は、自治体向けの「重点支援地方交付金」の内の食料品高騰に対応する特別枠として拠出される予定である。おこめ券だけでなく電子クーポンの活用を促すとされる一方で、農相はお米券が使用できる食料品の範囲については民間に委ねると発言しており、その行方が迷走気味である。
ココがポイント
鈴木憲和農相は28日、政府の総合経済対策に盛り込まれたお米券で買える商品の範囲を民間に委ねる考えを示した。
出典:日本農業新聞 2025/11/29(土)
おこめ券について自治体から農水省に問い合わせが相次いでいるとして、自治体向けの説明会を来週から実施すると発表
出典:ABEMA TIMES 2025/11/28(金)
エキスパートの補足・見解
お米券については、紙で発行すると農協等の関係団体への利益誘導となるという批判が展開している。また紙で発行すると時間がかかるという可能性がある。先行して取り組む自治体では、おこめ券の使途を国産米に限定する事例もある。電子クーポンでの配布となれば、電子マネー会計ができないコメ屋等で使用できないという指摘もある。お米券関連の予算規模は、4000億円に上る(重点支援地方交付金全体の予算は2兆円)。一時的な物価政策としては巨額の予算である。さらにその上、お米券がお米以外の食料品に使用できるとなれば、コメ価格高騰への対策効果が弱まる可能性がある。コメ価格高騰の要因として指摘されるコメの需給や市場の混乱への対策に充てた方がよいのではないかという指摘が相次ぐのも当然のことである。
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