またもや虐待。日常的に虐待のニュースが流れる。
クマが人里に下りてきて、人を殺したり畑を荒らしたりすることに対しては、自衛隊まで出動する。
なのに、いったいどれだけの子どもたちが虐待されて、命まで奪われているのか、国の偉い方たちは気に留めているのだろうか。
先日、罠にかかってしまった子熊のそばから母熊が離れず、いっしょに駆除されたというニュースを聞いた。
ミイラになった子ザルを、ずっと離さず抱っこしている母ざるの動画を見たことがある。
子どもは親を選べないのは、動物の世界もいっしょだろう。でも、選んだわけでもないのに、ちゃんと慈愛に満ちた素晴らしい親に巡り合っている。
なぜ人間はそういうわけにいかないのだろうか。
小学校低学年にあたる年齢の女児に十分な食事を与えなかったとして、警視庁は11日、東京都23区内に住む30代の母親と20代の内縁の夫を保護責任者遺棄の疑いで逮捕した。母親は「おかゆを与えたりしていた」と容疑の一部を否認し、内縁の夫は容疑を認めているという。捜査関係者への取材で分かった。
2人には中学生にあたる年齢以下の子どもが3人以上いるが、全員が学校にほとんど通っておらず、親族以外と会う機会はほぼなかったという。警視庁は、他の子どもに対しても虐待があったとみて調べている。
捜査関係者によると、2人の逮捕容疑は、今年8月初旬までに、1日1食にするなどして女児を低栄養状態にさせ、自力での歩行が困難になっていたことを認識しながら、食事や医療の措置をせず放置したというもの。女児は7月中旬ごろには、おむつを着けて生活していたという。
■「異常なやせ方している」と通報 体重は…
8月上旬ごろ、女児が容疑者2人の知人宅に預けられているのを、この家を訪れた放課後デイサービスの職員が発見。「異常なやせ方をしている」と児童相談所に連絡した。子ども全員が同月、保護された。女児は今春以降に体重が約10キロ減っていたという。
警視庁は10月、女児以外の他の子ども2人に暴力を振るったとして、容疑者2人を暴行容疑で2回逮捕。事前に自宅を家宅捜索した際、室内に設置されたペットなどに使う見守りカメラに、2人が子どもに暴行する様子が映っていたという。
捜査の中で、2人の携帯電話に、女児に食事を与えないことについてやりとりしている内容があることが判明。女児に対する保護責任者遺棄容疑での逮捕に至った。容疑者2人の逮捕は今回で3回目になる。
食事は他の子どもにもあまり与えておらず、カップラーメンを子どもが作って他の子どもに食べさせることもあったという。
2人は子どもを置いて外出することもあった。見守りカメラについて、2人はペットを飼っておらず、「子どもたちを監視するために設置した」と話しているという。(長妻昭明)
