親と子の絶滅の危機

地球上のあらゆる環境で繰り広げられる生きものたちの子育ての姿を5回シリーズで描くBBCとの国際共同制作。今回は「草原」と「海洋」が舞台。草原では敵から子供たちを守るキットギツネの母親、人間が作った柵に引き裂かれるグアナコの親子、海洋では口の中で稚魚を育てる熱帯魚、クジラ狩りを教えるの長老メス、命がけで産卵するタコの母親など、生きものたちのひたむきな子育ての姿を極上の映像で描き出す。
親と子 いのちの物語:NHK BS
フェリーの中はゆったりとした時間が流れる。地球上の「親子」の神秘をじっくり味わうのに適した時間。涙が出るほどの感動の後、人間の愚かさをしみじみ痛感。
神様が地球上のいのちを創造したのだとしたら、なぜ神様は人間にこのいのちたちを守っていくという叡知を授けなかったのだろう。
カナダと米国の研究グループが2011年、これまでの資料から計算して、地球でくらす生物の種類は870万種と発表した。全ての生物を見つけるには1200年もの時間と、30万人の生物学者、そして多額の資金が必要になるという。
地球に生物が現れてから38億年、その間に多数の生物が死に絶える「大量絶滅(ぜつめつ)」があった。大きなものは5回あり、特に有名なのが6500万年前の恐竜の絶滅だ。巨大な隕石(いんせき)が地球に衝突(しょうとつ)したことで起きた。
松本吏樹郎・大阪市立自然史博物館学芸員;日経プラスワン
実は今が6回目の大量絶滅にあたると多くの科学者が心配しているんだ。人間が森を切り開いて畑や都市をつくると、生き物のすみかが失われる。きばなどをとるために人間が殺してしまう動物も多い。国際自然保護連合(IUCN)の調べでは、約2万3000種が絶滅の危機にあるそうだ。これまでは大災害がきっかけだったけど、人間のせいになってしまうかもしれない。