世界経済に大音量アラーム‼

ハマグリが水から出て、ひなたぼっこをしていた。それを見たシギが中の肉をつっつくと、ハマグリは殻を閉じてくちばしをはさむ。どちらも譲らずにいると、漁師が来て両方をつかまえた。中国の前漢の書で、戦国時代の策謀を描いた「戦国策」にある有名な寓話(ぐうわ)だ。▼秦や燕、趙などの国の攻防が同書の主なテーマ。趙が燕を討とうとしたとき、遊説家の蘇代は趙の恵王に漁夫の利のたとえを披露する。両国の争いは強大な秦を利することになると説くと、恵王は「なるほど」と応じて攻め込むのを思いとどまった。理をもって諭し、外交で事態を打開しようという発想が戦国策にはある。
日本経済新聞 春秋:2025.4.9
今日アメリカは相互関税の上乗せ分を発動する。
どちらがハマグリでどちらがシギだかわからないが、両方ともつかまってしまう結末がわかっていないトップには、アラームの大音量が聞こえないらしい。
漁師は虎視眈々と狙っている。