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活動報告

東風(こち)と「飛梅伝説」
冷たい雨に満開のしだれ梅

先週は暖かい日が続き、西風から東風に代ったのも束の間、再び寒波の到来。その冷たい雨にも負けずに咲く梅の花は、健気でありながら志の強さを感じさせます。

「梅」をこよなく愛した人物の一人に、平安時代の貴族・政治家の「菅原道真(すがわらのみちざね)」がいます。

ある日、菅原道真は藤原氏との政争に敗れ大宰府へ左遷されることになりました。道真が大切にしていた桜・梅・松の三本の庭木のうち、桜は主を失った悲しみで枯れてしまいます。松の木は道真を追いかけて飛び立ちましたが途中で力尽き、摂津国八部郡板宿近く(現在の兵庫県)に降り、根をおろしました(飛松伝説)。梅の木は一晩で道真の元まで飛び、大宰府に根を張りました。この言い伝えが「飛梅伝説」と呼ばれている伝説です。

実際に、道真の庭木の梅が大宰府まで飛んで行ったかどうかは定かではありませんが、道真が梅の木を大切にしていたことは確かなようで、庭の梅へ別れを惜しんで歌を詠んでいます。


 “東風(こち)吹かば にほひをこせよ梅花 主なしとて春な忘れそ”

春が待ち遠しいですね。