下水道管に起因の道路陥没事故、耐用年数超え増加で今後増える恐れ…
埼玉県八潮市で県道が陥没し、走行中のトラックが転落した事故は今現在も、運転席に残されたままの男性運転手の救出活動が続いている。トラックの荷台部分が引き上げられた後、近くでは新たな陥没も発生し、地中のガス管が破損する恐れがあるとして、市などは半径200メートルの約200世帯に避難勧告を出している。
国土交通省によると、下水道管に起因する道路陥没(地震を除く)は2022年度は2607件発生した。大半は深さ50センチ未満だが、100センチを超える規模の陥没も2%あった。老朽化した下水道管が損傷して土砂が流れ込み、地盤が沈み込むケースが多いという。
同様の陥没事故は今後増える恐れがある。同省によると全国の管路約49万キロのうち、一般的な耐用年数とされる50年を超えた管路は22年度時点の3万キロから、20年後には20万キロに増える見込みだ。
トラックの荷台部分が引き上げられた道路の陥没現場。右が新しく陥没してできた穴
(29日午前9時15分、埼玉県八潮市で、読売ヘリから)=鈴木毅彦撮影© 読売新聞
こうした事態に備え、15年改正の下水道法で、下水道事業を担う全国の自治体などは腐食の恐れの大きい下水道管を5年に1回以上点検するよう義務づけられた。国交省は、点検で異常が確認されたら速やかに対応するよう求めている。