津波避難タワー、住民が一時入れず混乱
宮崎・日向灘の地震の時のこと。
タワー南側の柱に自動解錠ボックスがあり、震度5弱以上で中の鍵が取り出せるが、延岡市の震度は最大4だった。揺れが規定値未満だったためボックスが開かなかったのだ。
そうした場合に備え、緊急用の進入口もある。
板が張られ、市によるとケイ酸カルシウム製で厚さ6ミリ。「非常時に破って逃げる、マンションのベランダの仕切りと同じ」という。
板には「緊急用避難口」と書いてある。脇にも「緊急時にはここを破って侵入(進入)し門扉を開けて避難して下さい」と記し、人が蹴り破る様子を絵にした案内板も張ってある。だが、住民はパニック状態で、全く目に入っていない様子だった。
甲斐さんは自動解錠ボックスが開かないことを再度確認した上で、板を蹴り割った。しかしきれいには割れず、鋭利なギザギザが残った。「住民がケガをするといけない」と思い、それを1、2分かけて手で取ってから、中へ誘導した。
朝日新聞デジタル
旭市の津波避難タワーも、常日頃は施錠されている。延岡市同様、「子どもが入って遊んでケガをする可能性もある」といった、防犯や安全上の理由からだろうが、実際に津波警報が出た時に入れないようでは、本末転倒。
先日視察した黒潮町では、高さ22メートルの避難タワーは常時開放。市民のお散歩コースになっていて、8階までの階段は足腰を鍛えるのに活用されている。