コミュニティー農園
給食残渣や家庭生ごみ、刈り取った草や枝など、乾燥させて灯油を入れて、燃えやすくして焼却炉に入れるのでは、もったいなさすぎるし、決してSDGsではない。「農と食のまち旭」なら、絶対考えなくてはならないこと。
東京都日野市には、市民コミュニティーによる生ごみリサイクル運動から始まった農園があります。きっかけは2000年、多摩地区で不燃ごみ量ワースト1位だった同市が始めたごみ改革。市民による「ひの・まちの生ごみを考える会」では、市と協働で生ごみを堆肥にする実験を行い、堆肥を生かす場として、08年にオープンしたのが「コミュニティーガーデンせせらぎ農園」です。
皆さん会費を払って主体的に参加しているのです。こうした活動が実を結び、日野市ではさきごろ、人口10万人以上50万人未満の市町村で「1人1日当たりのごみ排出量」が600.5gと、全国一少ないまちになりました。楽しんで土を耕していたらごみが減り、持続可能なまちの栄誉に輝いた。こんな三方良しがあるでしょうか。
日本農業新聞:今よみ 小谷あゆみ氏(農ジャーナリスト)