メニュー
Information

活動報告

梅雨入りの夏至

今朝のラジオ体操で流れたピアノは、「夏は来ぬ」。

今日関東地方は、一年で最も昼が長い日に、遅い梅雨入りをしたもよう。

昨日までの真夏日とうって変わって梅雨冷に、「夏は来ぬ」を口ずさむ。

理解のおよばない言葉もあるが、日本の美しい里山の情景は浮かぶ。

こういう歌は、子どもや孫たちに伝えていかなくてはならない大切な文化だと思う。

卯の花の、匂う垣根に
時鳥、早も来鳴きて
忍音もらす、夏は来ぬ

さみだれの、そそぐ山田に
早乙女が、裳裾ぬらして
玉苗植うる、夏は来ぬ

橘の、薫るのきばの
窓近く、蛍飛びかい
おこたり諌むる、夏は来ぬ

楝ちる、川べの宿の
門遠く、水鶏声して
夕月すずしき、夏は来ぬ

五月やみ、蛍飛びかい
水鶏鳴き、卯の花咲きて
早苗植えわたす、夏は来ぬ

※「忍音(しのびね)」とは、その年に初めて聞かれるホトトギスの鳴き声を指  し、『古今和歌集』や『枕草子』などの古典文学作品にも登場する古語の一つ。

※「早乙女(さおとめ)」とは田植えをする女性、裳裾(もすそ)とは衣服のすそ、「玉苗(たまなえ)」は、「早苗(さなえ)」と同様、苗代(なわしろ、なえしろ)から田へ移し植えられる苗を意味している。

※「蛍飛びかい  おこたり諌(いさ)むる」は、中国の故事「蛍雪の功(けいせつのこう)」から、夏の夜も怠らず勉学に励めとまるで飛び交う蛍に諌められているかのようだということ。

※「楝(おうち)」とは、夏に花をつける落葉樹のセンダン(栴檀)を意味する。水鶏(クイナ)は、古典文学にたびたび登場する。