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活動報告

小さき別れ
もう誰もいないツバメの巣
今年初めてのタマムシは鳥にやられたのか

子供にも小さき別れ燕の巣

田中祐明[先生からの手紙〕

別れは子供にとり一番さみしい。揚句は燕の巣から雛が巣立つ別れ。毎朝、軒の巣燕を見て登校し、夕方同じ気持ちでほっとする。三週間あまり、安らかな気持ちは最高。ところが、ある日、雛がいっせいに巣立つ。「小さき別れ」に涙ぐむ。

これが別れの初め。親は小さき別れがやがて、無限の哀しみに繋がることを知っている。親の転勤や転住もあれば、子供に転校もある。人生には生き別れも死別もある。

作者は優しい。小さき別れを話題にした慧眼が光る。

日本農業新聞 名歌と名句 宮坂静生

「今年は巣立ちが早かったのか」と、ちょっとがっかりしながら朝刊を取りに行くと、まさに心中察する句が目に飛び込む。足元には、鳥にでもやられたか、今年初めてのタマムシが横たわる。まだこどもかなという小ささだ。

小学生の頃、隣接する保健所につながれていた犬をどうしても飼いたいと、親に直談判した。願いは叶わなかった。「小さき別れ」に大泣きした記憶が蘇る。