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活動報告

水道から水が出ること

「水道から出た温かいお湯に涙」 能登半島先端の町で断水から復旧

 能登半島地震の被害で、石川県内では断水の復旧が進まない地域が多い。そんな中、珠洲市の北端にある折戸町で、水道が通水し始めた。町中心部の高台にある避難所でも14日から水が出始め、風呂や食事に生かされている。避難所を出て自宅に戻り、生活の再建に向けて取り組み始めた人もいる。

 15日、穏やかな海のさざ波が聞こえる折戸町唯一の美容室「トラーニヘアー」。店主の吉井謙太さん(46)が、被災した男性の洗髪をしていた。吉井さんによると、これまでは裏山からくみ上げた水を五右衛門風呂で沸かして、近隣住民の洗髪や散髪などを無償でしてきた。

美容室でも14日に通水し、本格的な営業再開に踏み出す。まず、近隣住民を中心に営業を始めるという。吉井さんは、「水道から温かいお湯が出た時は涙が出るほどだった。県内を見渡せば喜べる状況ではないが、一歩前進した」と話した。

 同じく同町で被災した女性(73)は、娘のいる同市飯田町で避難生活を送っていた。通水したことを知り、15日に自宅へ戻り、洗濯したという。

 「子どもたちもお風呂に入りに行きたいと言っていた。本当に助かります」と話した。だが一方で、「家が壊れて折戸町から離れて暮らす人も多い。自宅に住める状態だったのは幸いだったが、自分だけ良い状況なのが心苦しい」と心境を話した。

朝日新聞デジタル(金居達朗):2022.2.17

能登の復旧状況の報道を耳にするたび、東日本大震災の当時のことを思い出します。

毎日当たり前のように過ごしている日常が、実はとても尊くて、当たり前ではないということが身に染みました。

あれから13年の歳月で忘れかけていた、「水道から水が出ること」に感謝する気持ち。

どこよりも先に、能登に早く春が来ますように。