メニュー
Information

活動報告

教訓とは

過去の震災で国は巨額予算で復興を後押しした。だがすべてが有効活用されたとは言い難い。東日本大震災後に計4600億円以上を投じた「土地区画整理事業」。津波被災の土地をかさ上げして整備したが、大規模工事に時間がかかり多くの人が故郷を離れた。国土交通省の調べでは、21市町村で28%に当たる282㌶、東京ドーム60戸分の土地が未利用。住民ニーズと施策のズレが浮き彫りになった。

日本経済新聞:2024.1.25

当時浦安市議会議員視察で東日本大震災からの復興事業を見て回りました。峠を越えると目の前に広がるのは、さっき見た光景と同じ10メートルのかさ上げ工事。巨大なベルトコンベヤーが山土を流し、無数のダンプカーが砂埃を上げて走り回る。今まで見たこともないスケールの工事に、怖ささえ感じたのを思い出します。「10年かけたかさ上げ完了後に、山側に避難して新たなコミュニティを作った人が帰ってくるのだろうか」と心配したのは、杞憂ではなかったようです。

国立社会保障・人口問題研究所の推計で、70年に日本の人口は8700万人まで減る。過去の教訓を踏まえ、災害前の姿を前提に復興を進めるべきかが問われる。

「災害列島」と呼ばれる日本。想定される南海トラフ地震の経済被害額を国は最悪220兆円と推計する。

どうやって経済被害を抑え、どうやって復興するのか、教訓を生かした備えができているのか。はたして復興に教訓は生かされようとしているのか。