「原爆の日」に「人類最後の日」を考える
今年に入って1月25日には、アメリカの科学雑誌が「人類最後の日」までの残り時間を象徴的に示す「終末時計」について、これまでで最も短い「残り1分30秒」と発表し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを受けて、世界は前例のない危険な状態にあると警告しました。
「終末時計」の発表は、1947年の「残り7分」から始まり、東西冷戦の終結後には「残り17分」まで戻されましたが、去年まで3年連続で「残り1分40秒」と最も短くなっていました。
今年は、これよりさらに短くなり「人類最後の日」までこれまでで最も近づいたとしています。
理由については、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を一番にあげ、ロシアが核兵器の使用を示唆したことで、事故や誤算によって紛争が拡大するリスクがあり、紛争が誰の手にも負えなくなる可能性もあると指摘しています。
78回目の原爆の日の今日、記念式典とともに、新たに5320人が追加され総計33万9227人が記帳された原爆死没者名簿が、原爆慰霊碑の石室に奉納されたそうです。
そして一方では、ウクライナとロシアの戦いのニュースが流れる原爆の日。
私たち人類は、生まれた瞬間から己の終末に向かっています。これを運命と呼ぶなら、誰一人としてこの運命から逃れられる者はいません。しかし、人類の運命は違います。叡知さえあれば繋いでいけるはず。そのために産まれてきているのですから。
運命の残り時間、1分30秒。果たして、繋ぐのか、終わりにするのか。人類はどちらを選ぼうとしているのでしょうか。