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活動報告

干潟保育所完全民営化の条例案に反対討論

この議案に関しては、本会議で、或は委員会での質疑に対する市の答弁を聞いて、又、実際に干潟保育所の視察にも行ってみて、反対の立場をとることにしました。その根拠として、今回の条例改正は「時期尚早」だという一点です。「時期尚早」とは、何か事を行うには、まだ時が熟していないこと。何かを実行するためには、まだ時間的に早すぎるということです。

私は、民営化に反対するものでは決してありません。むしろ民でやった方が、経営の効率化や新しい取り組みなど、期待できるものがたくさんあります。

しかし、今回の条例改正は、まさに、「時期尚早」。

今現在干潟保育所を運営している事業者の5年契約の指定管理の時期が来春で終わるから、じゃ、ここで民営化だ、じゃ、説明会だね、議会にも納得してもらわないとね、といったバタバタ感が否めません。

今年、市内の保育所の統廃合、民営化に向けたプランが出されて、間もなくのこの条例改正案。7月に保護者説明会、そしてもうこの12月議会で、完全民営化しますからね、賛成してくださいですから。どう考えても、指定管理の契約期間満了に合わせた条例改正とみられても仕方ありません。

「時期尚早」の根拠はふたつ。

1.公共施設の民営化に対して、きちんとした基準が出来ていない。1700坪もの敷地を無償貸与、300坪もの建物(建て替えるとすると4億数千万かかるという市の財産)を無償で譲渡する根拠がない。民営化するための基準を決めていない。

2.民営化にするメリット、デメリットが提示できていない。議員に出された最初の説明書では、運営費に関しては市の持ち出しが増えるというもの。何のための民営化かと複数の議員からの質疑で、数日後には市の持ち出しは減るという資料に差し替えられました。数日で変わる数字に果たして信憑性はあるのでしょうか。16年後に建て替えの時には1億7千万が市の負担になるところ、民営化するとそれがなくなる、という論法ですが、施設の維持管理、建て替えについては別の議論で、公共施設長寿命化計画にそってやるべきです。

以上2点が、今回干潟保育所を完全民営化するための条例改正に反対する根拠です。

私は、議会の審議が感情で左右されることが決してあってはならないと思います。確かに、一生懸命保育園を運営されて、地元の評価も高く、これからも旭市の保育行政に貢献されるであろうことは、私も認めます。

ただ、それは市内で頑張って子どもたちを保育・教育している多くの事業者も同じことで、もっと言うと、子どもの施設にかかわらず、お年寄りの施設運営だってそうです。市は、市民の生命と財産を守らなければなりません。そのための福祉事業を、市内たくさんの民間事業者が担って、日夜奮闘しています。こうした民の力を借りなくては、市の福祉行政は成り立っていかないのです。

こうした中で市に求められるのは公平性です。

みんなが頑張っているのに、なんであそこだけいい思いをしているの、なんであそこだけタダでもらえるの、といった不公平感が出てくると、市は市民からの信頼を失います。