6月4日虫の日(むしのひ)考
旭に来て初めて、タマムシなるものを見ました。これが玉虫厨子に使われた、なんとも美しい輝きです。
タマムシの卵は、エノキやケヤキ、サクラの枯死木に産み付けられ、幼虫は、その朽木を食べて3年ほどかけて成長するそうです。成虫になってからの寿命は1ヶ月ほどしかないそうです。
なぜこんなに美しいのかというと、タマムシの羽は、地の色は緑色なのですが、見る角度によって緑に光ったり赤に光ったりするのだそうです。これは、構造色と呼ばれ、実際に赤い色がついているのではなく、タマムシの場合は、透明な層が何枚も重なることによって生み出される色なのだとか。
そして、タマムシがタマムシ色である利点のひとつは、その色が鳥に嫌われるため、鳥に食べられにくいということ。CDが鳥よけに使われるように、タマムシの色も、鳥が嫌うと考えられています。鳥にこの性質があることから、タマムシは、白昼堂々木の上の目立つところでたくさん集まっていても、鳥に狙われることが少ないのではないかと考えられているそうです。
虫も奥が深いですね。「虫の日」の名付け親の養老孟司さんの気持ちが、ほんのちょっとだけわかった気がします。