『親愛なる同志たちへ』
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県内では千葉劇場のみの上映。期間ぎりぎり間に合い、観てきました。中国文化大革命を背景にした小説『ワイルド・スワン』を読んだ時と同じく、久しぶりに「胸が悪く」なりました。この思いはつっかえもののように、しばらくありそうです。
帰りの車では、全国的に学校の先生の不足が深刻化している、学校がいかにブラック企業であるかの特集が流れていました。
子ども達への教育は大丈夫か。こちらも胸につっかえています。
現在84歳の巨匠コンチャロフスキー監督が新たに発表した『親愛なる同志たちへ』は、1962年にソ連の地方都市でありウクライナにほど近い町ノボチェルカッスクで実際に起こった虐殺事件と向き合ったヒューマン・ドラマ。崇敬する”祖国”とは何だったのかー?ソ連崩壊後の1992年まで30年間、国家に隠蔽されてきた衝撃的な歴史の真実に迫った作品である。
KGBの公式データによると死者26人、負傷者数十人、逮捕者数百人を出し、7人が処刑された(非公式のデータでは死者100人とされる)とされるノボチェルカッスクの虐殺は、決して遠い過去の話とは言いきれない。重いメッセージをはらんだ本作を鑑賞した者は、ロシアによるウクライナ侵攻、香港、ミャンマーにおける民衆弾圧のニュースが脳裏をよぎるだろう。名匠コンチャロフスキーが完成させたこの渾身の新作は、まぎれもなく現代の不穏な世界情勢と地続きにある歴史大作なのだ。
『親愛なる同志たちへ』公式サイト