「子らを思う歌」
銀も 金も玉も 何せむに
まされる宝 子にしかめやも
山上憶良の歌で、一番知られている歌です。
瓜食めば 子ども思ほゆ
栗食めば まして偲はゆ
いづくより 来たりしものぞ
まなかひに もとなかかりて
安すいし寝さね
という、「子等を思う一首あはせて序」の長歌にたいする反歌です。
長歌には、「こんなに可愛い子どもというものは、一体どういう宿縁で、どこから我が子として生まれてきたのでしょうか」と、我が子への愛情があふれ、反歌で「子どもに勝る宝はない」と詠っています。
今日また、我が子を殺すといった悲しい事件の報道がありました。深い悩みや、どうしようもない事情があるかもしれません。でも、誰かに助けを求められなかったものか。何とか子ども達を救う手がなかったものかと思うのです。