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活動報告

イルカ
イルカと孫

生まれつき両腕がなく、バタフライは足のキックが頼り。コーチからは「体をムチのようにしならせて」と指導されていたが、今ひとつイメージが湧かなかった。

 八景島のイルカショーで、同級生がジャンプする姿に熱視線を送る中、日向選手の目は水中の泳ぎにくぎ付けになった。頭の位置はほとんど変わらないのに、体をしならせて急加速していた。「これだったんだ」

 イルカを意識した練習を重ねて1か月後の代表選考会で、自身の日本記録を1秒近く更新し、代表の座をつかんだ。

 両腕がないことに「苦労したことはない」と言い切る。足を使って字を書き、スマートフォンでゲームに熱中する。親にスマホを自分の背丈より高い所に隠された時も、こっそり取り返すたくましさがある。学校も普通学級に通い、人なつこい性格で友達も多い。

読売新聞:パラリンピック競泳日向楓選手の記事

パラリンピックの選手の頑張りには、本当に力をもらいます。

「読書感想文が書けないんだって」と娘から、孫の夏休みの宿題が終わらないことへの心配の電話が。「書けない」は、できないんじゃなくて「やらない」ということ。

電話でこの記事を読み聞かせる間中孫は沈黙。きっとその意味を理解してくれたのでしょう。そして、孫に諭しながらわかったことは、この16歳の日向楓選手から学ぶべきは、私自身だということ。

「両腕がないことに苦労したことはない、と言い切る」強さ。「できない」なんて言葉は、彼の辞書にはない。運命を恨むことなく、必ず明日はできると疑わない。この強さを私も持ちたい。